グランドセイコーの文字盤芸術。パターンと仕上げの世界

2026.04.29 2026.04.29 約18分 コラム

※ 価格・仕様等の商品情報は掲載時点の内容です。最新情報はGrand Seiko Salon HARADAにてご確認ください。

グランドセイコーを店頭で初めてご覧になったお客様から、「写真で見ていた印象とまったく違いますね」というお声をよくいただきます。雑誌やWebの画像では、どうしても伝わりきらない世界があるからです。

文字盤に光が差した瞬間、雪原のような輝きが立ち上がります。木立のなかで揺れる木漏れ日のように、角度を変えるたびに表情も変わります。そんな光景を目にすると、文字盤が単なる「目盛りの台座」ではないことを実感していただけるはずです。

グランドセイコーの文字盤は、信州(塩尻)と岩手(雫石)という二つの拠点で、日本の自然をモチーフに匠が手仕事で表現する芸術作品です。雪白パターンや白樺パターンに代表される自然の意匠、漆塗りや季語をテーマとした伝統美、そしてサンレイ・型打ち・厚銀放射などの仕上げ技法が共存しています。これらが幾重にも重なり、写真では決して再現できない光の世界を生み出しています。

本記事では、文字盤の設計思想から代表モデルの解説、TPOに応じた選び方まで、店頭で日々お客様にお伝えしている内容を体系的にまとめました。雪白と白樺の違い、漆塗りの床に映る情景、サンレイ仕上げと型打ちの個性。これらの要素について、それぞれが「どの土地の、どの瞬間の自然」を描いているのかを知ることで、ご自身に寄り添う一本がきっと見えてきます。実物に出会う前の予習として、また購入後のオーナーズガイドとして、ご活用いただければ幸いです。


グランドセイコーの文字盤哲学 — 信州(塩尻)と岩手(雫石)の二拠点

グランドセイコーの文字盤は、ひとつの工場でまとめて作られているわけではありません。長野県塩尻市と岩手県雫石町、二つの拠点が役割を分担しながら、それぞれの地に根ざした自然を文字盤へと写し取っています。この章では、まず製造の地理と思想を整理しておきます。

信州 時の匠工房 — スプリングドライブと文字盤製造の中心

長野県塩尻市にある「信州 時の匠工房」は、セイコーエプソン塩尻事業所内に設けられた拠点です。スプリングドライブと9F系クオーツのムーブメント、そしてグランドセイコーの文字盤製造の中心を担っています。

塩尻周辺は、冬は穂高連峰から吹きおろす風雪が舞い、夏は諏訪湖に陽光が映る土地柄です。雪白パターンや諏訪湖の水面を写したダイヤルが、ここから生まれてきました。スプリングドライブを搭載するモデルの多くは、この信州の景色を文字盤に宿しています。

グランドセイコースタジオ 雫石 — メカニカル組立と岩手の自然

一方、岩手県雫石町にある「グランドセイコースタジオ 雫石」は、2020年に新設されたメカニカルムーブメントの組立拠点です。9S系のキャリバーは、ここで職人の手によって組み上げられています。スタジオは盛岡セイコー工業の敷地内にあり、9S系の部品製造から組立・調整までを一貫して行うマニュファクチュール体制が築かれています。

スタジオ周辺には白樺林や雫石川が広がり、四季の表情が豊かです。SLGH005に代表される白樺パターンは、まさにこの地の景観に着想を得て生まれてきました。なお、9F系クオーツについては信州 時の匠工房(セイコーエプソン塩尻事業所内)で製造されており、グランドセイコーは「岩手=メカニカル、信州=スプリングドライブ+9Fクオーツ」という棲み分けで二拠点体制を敷いています。

自然をモチーフに、季節を文字盤に宿す思想

「雪白パターンって、雫石の景色なんですよね?」というご質問を、店頭で本当によくお受けします。実はこれが二拠点の混同で、雪白パターンは信州(塩尻)、白樺パターンは岩手(雫石)が源泉です。同じ「日本の自然」と一括りにせず、地域ごとに違う情景を切り出している点に、ブランドの誠実さがあります。

二拠点ともに共通しているのは、「写真や映像で見る景色」ではなく「その地で暮らす人が肌で感じる季節」を文字盤へと翻訳しようとする姿勢です。風が雪を運ぶ瞬間や、白樺の幹に陽が当たる午後の光が広がる景色。そうした一瞬を金属とめっき、そして手仕事で永遠に閉じ込めること、それがグランドセイコーの文字盤哲学だと私たちは捉えています。

外装側でも、ザラツ研磨と呼ばれる平面研磨の技法によって、ケースのフラットな面が歪みなく仕上げられています。ザラツ研磨はその名前の由来となったスイスのサラ(ザラツ)兄弟に遡る技法で、平面の鏡面と文字盤の凹凸が呼応することで、光の反射美が成立します。文字盤の意匠と外装の研磨は、互いに補い合う関係なのです。

このあとの章では、信州生まれの「雪白パターン」、岩手生まれの「白樺パターン」を順に見ていきます。続けて日本の伝統美を写した文字盤群、そして王道仕上げの世界へと進む構成です。


雪白パターン — 信州・穂高の風雪紋を写し取る

数あるグランドセイコーの文字盤のなかでも、最も国際的に知られているのが雪白パターンです。海外コレクターから「Snowflake」と呼ばれ、日本のものづくりを象徴するアイコンとして高い評価を得てきました。本章ではその源流と代表モデルをご紹介します。

「雪白パターン」とは何か — 風雪紋を文字盤に

雪白パターンは、冬の穂高連峰に吹き荒れる風雪が雪面に描く紋様、いわゆる「風雪紋」を文字盤に写したものです。製造の地である信州(塩尻、長野県)の風土が、そのまま意匠の源泉になっています。

技術面の特徴は、銀めっきによる特殊加工で立体的な凹凸を作り、白色塗料を使わずに純白の表情を引き出している点です。塗料で「白く見せる」のではなく、めっきの層と光の反射で「白く感じさせる」アプローチが採られています。秒針には深い青のブルースチールが組み合わされ、純白の盤面にきりりとした緊張感を与えています。

SBGA211 — 雪白パターンの代表モデル

雪白パターンを語るうえで欠かせないのが、ヘリテージコレクションのSBGA211です。スプリングドライブ9R65を搭載し、ブライトチタンの軽量ケースと組み合わされたモデルになります。

SBGA211 基本スペック

コレクションヘリテージ
キャリバー9R65(スプリングドライブ自動巻、手巻つき)
駆動期間約72時間
静的精度平均月差±15秒(日差±1秒相当)
外装ブライトチタン
ケースサイズ横41.0×縦49.0×厚12.5mm
防水10気圧
重量100g
ダイヤルホワイト(雪白パターン)/ブルースチール秒針
メーカー希望小売価格¥902,000(税込)

ブライトチタンは、ステンレススチールに比べて約30%軽量な素材です。41mm径という存在感のあるサイズでありながら100gという軽さに収まっており、長時間の装着でも疲れにくい設計になっています。

写真では伝わらない、光と影の表情

SBGA211は、店頭でこそ価値が伝わるモデルの代表格です。蛍光灯の下では雪原のように白くフラットに見え、自然光のもとでは凹凸が陰影を生み、タングステン光では柔らかな乳白色を帯びます。同じ文字盤が、光源によってまるで別の表情を見せます。

「写真で見たときはもっと派手な印象だったのですが、実物は意外と落ち着いていますね」というお声もよくいただきます。逆に「画像では地味に見えたのに、肉眼で見ると奥行きがすごい」という反応もあります。光と角度で表情が変わる文字盤は、ぜひご自身の目で確かめていただきたい一本です。

Snowflakeとして世界に評価された日本の意匠

海外市場ではSBGA211をはじめとする雪白パターンモデルは、「Snowflake」の通称で親しまれてきました。これがグランドセイコーの国際的なブレイクスルーのきっかけになったといっても過言ではありません。雪を切り取る言葉ひとつで、日本人が文字盤に込めた風景を瞬時に共有できる呼び名でもあります。

日本国内では「雪白パターン」、海外では「Snowflake」と呼ばれています。同じ文字盤がふたつの呼び名で愛されている、ブランドを象徴する一枚です。SBGA211はヘリテージコレクションのロングセラーとして長く愛され続けており、世代を超えてオーナーが増え続けるアイコンとしての地位を確立しています。


白樺パターン — 岩手と信州、二つの白樺林を写し取る

雪白パターンが信州・穂高の冬を表すなら、白樺パターンは日本の二つの白樺林——岩手・雫石と長野・信州——を文字盤に写し取った意匠群です。メカニカル系のSLGH005/SLGH017はグランドセイコースタジオ 雫石近郊の白樺林を、スプリングドライブ系のSLGA009は信州 時の匠工房がある長野県の白樺林を、それぞれモチーフにしています。エボリューション9コレクションを彩る、現行ラインナップの花形モチーフでもあります。

SLGH005 — 白樺パターンの誕生とGPHG受賞

エボリューション9コレクションのSLGH005は、白樺パターンを世に広めたモデルとして語り継がれる一本です。新世代キャリバー9SA5を搭載し、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)2021でメンズウォッチ部門を受賞しました。同年にはグッドデザイン賞も受賞しており、内外から高い評価を得ています。

白銀色の文字盤に刻まれた縦の型打ちは、岩手の白樺林を写したものです。シースルーバックから覗くムーブメントには「雫石川仕上げ」と呼ばれる繊細なストライプ模様が施されています。雫石川の流れから着想を得た意匠で、ケース表面のザラツ研磨と相まって岩手の景観をムーブメント越しにも感じさせます。

SLGH017 — 夜の白樺林を映すブラックダイヤル

SLGH017は、夜の白樺林をモチーフとしたブラック文字盤を持つモデルです。外装はブライトチタンで、約114gという軽さに仕上げられています。月明かりに浮かび上がる白樺の幹を思わせる、静謐で陰翳ある一枚です。

SLGA009 — 信州の白樺林を写すスプリングドライブ

スプリングドライブ5Days(9RA2)を搭載したSLGA009も、白樺モチーフを採用しています。ただしモチーフの源泉は岩手ではなく、スプリングドライブの製造地・長野県塩尻にある信州 時の匠工房近郊に広がる白樺林です。約120時間という長いパワーリザーブと、平均月差±10秒という高精度を両立した、現行スプリングドライブの主役級キャリバーで、SLGH005の力強い「動」の白樺林に対し、SLGA009は静謐な「静」の白樺林を描いた一本といえます。

白樺パターン3モデル比較

項目SLGH005SLGH017SLGA009
外装ステンレススチールブライトチタンステンレススチール
キャリバー9SA5(メカニカルハイビート)9SA5(メカニカルハイビート)9RA2(スプリングドライブ5Days)
静的精度平均日差+5秒〜-3秒平均日差+5秒〜-3秒平均月差±10秒(日差±0.5秒相当)
重量178g114g176g
ダイヤルカラー白銀色(白樺パターン)ブラック(夜の白樺林パターン)ホワイト(白樺モチーフ)
メーカー希望小売価格¥1,276,000(税込)¥1,463,000(税込)¥1,276,000(税込)

店頭でこの3本を並べて試着いただくと、同じ「白樺」というモチーフでも、写し取る土地が違い、素材と機構の違いも相まって装着感の奥行きがまったく異なることに気づかれるお客様がほとんどです。SLGH005の岩手・雫石の壮麗な白樺林を映したずっしりとした手ごたえ、SLGH017の夜の白樺林を纏う浮くような軽さ、SLGA009の信州の白樺林に重なる滑らかな秒針の流れ。これら三つを順番に着けていただく時間が、私たちにとっても接客の楽しみになっています。


日本の伝統美と文字盤の意匠 — 雪化床・床もみじ・季語の世界

自然の風景パターンとは別の系譜として、日本の伝統美や季節を表す言葉そのものを文字盤に落とし込んだ一群があります。漆塗りの床に映る情景、二十四節気以前の古典的な季語、一瞬の自然を切り取る表現。本章では、これらの観点から現行ラインナップの代表的な意匠を見ていきます。

漆塗りの床に映る情景 — 雪化床(SBGJ271)と床もみじ(SBGJ273)

エレガンスコレクションのSBGJ271SBGJ273は、漆塗りの床に映る景色をモチーフとした姉妹モデルです。SBGJ271は「雪化床(ゆきげしょう)」と呼ばれ、漆の床に映る雪景色をホワイトの文字盤と落ち着いたグレーのGMT針で表現しています。SBGJ273は「床もみじ」、漆の床に映り込む紅葉を深みのある赤色で写し取った仕様です。

両モデルともキャリバーは9S86のメカニカルハイビートGMTで、メーカー希望小売価格はそれぞれ¥1,001,000(税込)です。漆そのもののダイヤルではなく、漆塗りの床という空間性を文字盤に取り込んだアプローチが、日本建築の美意識をそのまま腕元に呼び込みます。

なお、過去には文字盤そのものを漆で仕立てた限定モデルSBGK002/SBGK004(2019年発売、世界限定各150本)も存在しました。これらは2019年限定生産のため現在は生産終了となっており、現行品でこの文脈を楽しめるのはSBGJ271/273やSBGW291などの王道仕上げ系になります。

季節の機微を宿すモデル — 晩冬・季春・杪夏・暮秋

エレガンスコレクションのSBGW281/SBGW283/SBGW285/SBGW287は、四つの季語をひとつずつ宿した季語シリーズです。手巻きキャリバー9S64を搭載し、各¥671,000(税込)、約61gという軽量さに仕立てられています。

品番季語ダイヤル色表す情景
SBGW281晩冬シャンパンゴールド雫石に訪れる早春の気配
SBGW283季春パステルブルー春から夏へ移ろう澄み切った青空
SBGW285杪夏グリーン(深い)夏の終わりの濃い緑
SBGW287暮秋ワインレッド深まる秋の色彩

店頭では、この4本をローテーションで揃えていらっしゃるお客様も実在します。「その日の天気と気分に合わせて時計を選ぶ」という贅沢な楽しみ方が、軽量な手巻きモデルだからこそ実現できるわけです。文字盤を集めるという感覚は、グランドセイコーならではかもしれません。

一瞬の自然を切り取る — 朝ぼらけ・雪雫

ヘリテージコレクションのSBGY011は、信州の朝の情景を捉えた「朝ぼらけ」を採用したモデルです。スプリングドライブ手巻9R31搭載、ボックスガラスを通して見るホワイトの型打ち模様は、夜が明けかけた瞬間の柔らかな光を思わせます。メーカー希望小売価格は¥1,144,000(税込)です。

エレガンスコレクションのSBGM255は、「雪雫(ゆきしずく)」と名付けられたホワイト文字盤を持ちます。春の陽射しに輝く雪どけの一瞬を、幾何学螺旋の型打ち模様で表現し、ブルースチールの24時針が爽やかなアクセントを添えています。9S66搭載のGMTモデルで、メーカー希望小売価格は¥704,000(税込)です。

これらの「言葉ありき」のモチーフは、店頭でモデル名と意匠を結びつけてご説明すると、お客様の表情が変わる瞬間が多いセクションです。日本語の季語・古語に親しみのある方ほど、強く惹かれる傾向があります。


王道仕上げの世界 — サンレイ・筋目・型打ち・厚銀放射

自然モチーフや伝統美のモデルとは別に、王道のシンプルな文字盤も多くのお客様から支持されています。一見プレーンに見える盤面でも、サンレイ仕上げや厚銀放射、型打ちといった技法によって、光の表情に深い差が生まれます。本章ではその代表例を整理します。

「厚銀放射」— 信州シルク産地への敬意(SBGA437)

ヘリテージコレクションのSBGA437は、「厚銀放射」と呼ばれる仕上げを纏ったシルバーダイヤルが特徴です。スプリングドライブ9R65搭載、メーカー希望小売価格は¥682,000(税込)になります。

「厚銀放射」とは、銀めっきを通常より厚く施した上で放射状の筋を入れる仕上げです。信州が古くからのシルク産地であったことに由来し、絹糸の光沢に対する敬意を込めた意匠と説明されています。光が当たると放射の筋に沿って輝きが流れ、シルクのドレープを思わせる質感になります。

サンレイ仕上げの優雅さ — SBGK007のドーム型ダイヤル

エレガンスコレクションのSBGK007は、アイボリーホワイトのサンレイ仕上げを採用したドーム型ダイヤルが印象的なモデルです。9S63手巻、ケース横39.0×縦44.0mm、重量わずか約70gという軽快なサイズ感で、メーカー希望小売価格は¥1,001,000(税込)になります。

サンレイ仕上げとは、文字盤中央から外周に向けて放射状の筋目を施す技法のことです。光源を動かすと、文字盤に光の帯がすっと走る独特の表情を見せます。SBGK007は「漆ダイヤル」と誤解されることがありますが、正しくはアイボリーホワイトのサンレイ仕上げです。乳白色の柔らかな下地と放射筋目の組み合わせが、和装にも洋装にも溶け込む静かな品格を生み出しています。

44GS現代デザインの放射模様(SBGW291)

ヘリテージコレクションのSBGW291は、44GS現代デザインを継承する手巻きモデルです。手巻9S64、ケース横36.5×縦42.7mm、メーカー希望小売価格は¥726,000(税込)になります。

シルバーダイヤルには細やかな放射模様が施され、ザラツ研磨されたケースのフラットな面と相まって、44GSが提唱した「光の反射美」を体感できる一本です。ザラツ研磨は、その名前の由来となったスイスのサラ(ザラツ)兄弟が考案した技法で、平面を完全に歪みなく仕上げる職人技として語り継がれてきました。

有機的な型打ち模様 — 自然をパターンに翻訳する(SBGA465 / SBGE279)

ヘリテージコレクションのSBGA465とSBGE279は、有機的な型打ち模様を持つスプリングドライブモデルです。SBGA465はシルバーダイヤルの3針モデルで¥682,000(税込)、SBGE279は同系統のシルバー型打ちダイヤルに黒めっき仕上げのGMT針を組み合わせたGMT仕様で¥737,000(税込)になります。

特定の風景ではなく、自然のテクスチャーそのものを抽象化した型打ちは、装いを選ばず日常に溶け込む意匠です。光が当たる角度ごとに、ふっと模様が立ち上がる瞬間があります。サンレイ仕上げのような直線的な煌めきとは違い、肉眼でこそ気づく不規則な輝きが、店頭で改めて評価されることの多い文字盤です。GMTを採用したSBGE279は、シルバーの盤面に黒めっきのGMT針が映え、型打ちの陰翳と相まって落ち着いた表情を見せる、出張や旅のお供にも適した一本になります。


色・シーン別の選び方 — TPOと文字盤の組み合わせ

これまで紹介してきたパターンや仕上げを、実際の装いにどう合わせるか。最後に、シーン別の選び方をまとめます。あくまで店頭でお客様にお伝えしている目安であり、決まりきったルールではありません。

ビジネスシーン — 白・シルバー・アイボリーの王道

スーツ姿に最も自然に馴染むのは、白・シルバー・アイボリー系のシンプルな文字盤です。SBGA437(厚銀放射)、SBGW291(44GS現代デザイン)、SBGK007(アイボリーサンレイ)あたりが王道です。いずれも会議室の照明下でも上品に光り、商談の場でも品格を保ちます。チタンモデルをお選びいただくと、長時間着用の疲労感も軽減できます。

フォーマル/ハレの日 — 深みのある色彩を選ぶ

結婚式や式典など、ハレの日の装いには深みのある色彩が映えます。SBGY011は朝ぼらけのホワイト、SBGJ273は床もみじの深みある赤色を採用しています。いずれもジャケットやドレスの色味と響き合う、ハレの日らしい一本です。光が当たるたびに表情が変わるため、写真にも映りやすい点が好まれます。

カジュアル/趣味性 — 季節感と個性を楽しむ

休日のジーンズやブレザーには、季節感や個性を楽しめる一本がおすすめです。たとえばSBGE277(穂高連峰の岩稜・ブラック)、SLGA019(諏訪湖の早朝水面・ブルー、ブライトチタン)、SLGA021(諏訪湖の夜明け前水面・濃紺)が候補にあがります。さらに季語シリーズ(SBGW281〜287)など、選択肢は多彩です。1本目に王道、2本目に趣味性、という揃え方をされる方が多い印象です。

シーン別おすすめモデル早見表

シーン推奨モデルダイヤル色メーカー希望小売価格(税込)
ビジネスSBGA437シルバー(厚銀放射)¥682,000
ビジネスSBGK007アイボリーホワイト¥1,001,000
フォーマルSBGW287ワインレッド(暮秋)¥671,000
フォーマルSBGY011ホワイト(朝ぼらけ)¥1,144,000
カジュアルSLGA019ブルー(諏訪湖の早朝)¥1,463,000
カジュアルSBGW283パステルブルー¥671,000

レディスの文字盤芸術 — 62GS現代デザインの世界

レディスにも、文字盤芸術を楽しめるモデルが豊富に揃っています。62GS現代デザインをベースとした26mmケースに、四季や自然の意匠を宿したラインナップが中心です。

たとえばSTGF387は「花筏」、STGF389は「風光る」、STGF379/381は「御神渡り」を冠しています。さらにSTGF359は「雪原の風紋」と、それぞれ日本の四季を映す名前を持ったモデルです。価格帯はSTGF359の¥341,000(税込)から、ダイヤモンドインデックスのSTGF379で¥1,034,000(税込)までと幅広く揃っています。文字盤芸術の入り口として、レディスは手の届きやすい価格から始められます。サイズ感も男性のセカンドウォッチや、ご夫婦でのペア使いとしてもお選びいただけます。


よくあるご質問

Q1. 雪白パターンと白樺パターンの違いは何ですか?

雪白パターンはSBGA211に代表される、信州・穂高の風雪紋を表現した文字盤です。一方の白樺パターンはSLGH005に代表される、白樺林の幹を縦筋の型打ち模様で表現した意匠です。白樺パターンの源泉は二つあり、SLGH005/SLGH017は岩手・雫石の白樺林、SLGA009は長野・信州の白樺林をそれぞれモチーフにしています。

Q2. グランドセイコーの文字盤はどこで作られていますか?

スプリングドライブと9F系クオーツの文字盤は、長野県塩尻市の「信州 時の匠工房」(セイコーエプソン塩尻事業所内)で製造されています。メカニカルモデルについては、岩手県雫石町の「グランドセイコースタジオ 雫石」を中心に組み上げられています。

Q3. 漆塗りの文字盤を持つグランドセイコーは現在購入できますか?

漆ダイヤル限定モデルのSBGK002/SBGK004(2019年発売、世界限定各150本)は、現在生産終了となっています。現行モデルでは、SBGJ271(雪化床)やSBGJ273(床もみじ)が漆塗りの床に映る情景をモチーフとした意匠で、日本の伝統美を表現しています。

Q4. 写真と実物で文字盤の印象が違うのはなぜですか?

グランドセイコーの文字盤は、型打ち・サンレイ仕上げ・銀めっきの多層加工などで、光の角度や強さで表情を変える設計になっています。蛍光灯・自然光・タングステン光など光源によって輝きや陰影が変化するため、実物の印象を写真で再現することは困難です。ぜひ店頭でお試しください。

Q5. レディス向けの特徴的な文字盤モデルにはどんなものがありますか?

26mmスモールサイズの「62GS現代デザイン」モデルが豊富です。「花筏」のSTGF387、「風光る」のSTGF389、「御神渡り」のSTGF379/381、雪原の風紋を映すSTGF359などが代表例になります。日本の四季や自然をダイヤルに宿した個性派モデルが多数揃っています。


まとめ — 写真では伝わらない、実物に出会う体験

グランドセイコーの文字盤は、信州と岩手という二拠点の自然を、匠が手仕事で写し取った芸術作品です。雪白パターンの風雪紋、白樺パターンの縦縞、雪化床や床もみじの空間表現、そしてサンレイ・厚銀放射・有機型打ちといった仕上げ技法が一本の腕時計に共存しています。これらが幾重にも重なり、光と角度で表情を変える独自の世界を描き出しています。

写真や映像では決して伝わらない部分こそが、グランドセイコーの文字盤の真価です。ご検討中のモデルがある方も、まだ漠然と興味をお持ちの段階の方も、まずは店頭で実物の光の表情をご覧いただくところから始めていただきたいと願っています。

なお、文字盤は基本的に交換ができないパーツです。長くお付き合いいただくことを前提に、最初の一本はじっくりお選びください。ケース外装はザラツ研磨を含むコンプリートサービスで研磨対応が可能で、5年間のメーカー保証(2021年10月以降に拡大された保証期間)も心強い後ろ盾になります。


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店内写真1

ジュエリーも幅広く揃うのでカップルや家族での買い物も長時間楽しむことができる。

店内写真2

4階にはバーカウンターとイベントスペースが設置されている。

店内写真4

落ち着いた雰囲気のバーカウンターで時計について語らうこともできる。

店内写真3

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株式会社ハラダは、徳島県で創業90年以上の歴史を持つ、日本正規高級時計協会(AJHH)加盟の腕時計正規販売店です。県内で眼鏡店を含む4店舗を展開し、お客様一人ひとりに最適な一本をご提案してまいりました。

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