グランドセイコーの「夜の白樺」SLGH017。闇の中に宿る白樺の美

2026.03.30 2026.03.30 約6分 コラム

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「白樺」の登場から約1年。グランドセイコーの文字盤芸術は、新たな頂に到達しました。その名は、SLGH017 ―― ファンの間で「黒樺(くろかば)」とも呼ばれる、夜の白樺林を表現したモデルです。

白樺(SLGH005)が世界的な成功を収めた後、多くの愛好家が密かに期待していたこと。それは「白樺の対となるダークバージョンが出るのではないか」ということでした。光があれば影がある。白があれば黒がある。その期待に、グランドセイコーは見事に応えています。

本記事では、SLGH017の文字盤、ケース、ムーブメントの魅力を一つひとつ紐解き、白樺との違いも含めて解説いたします。なお、SLGH017はグランドセイコーブティックおよびグランドセイコーサロンのみで取り扱われている特別なモデルです。

1. SLGH017が注目を集める理由

SLGH017が注目を集める理由は、単に「白樺の黒版」だからではありません。白樺で確立された文字盤技術とデザインコードを継承しながら、まったく異なる美の世界を構築している点にこそ、このモデルの真価があります。

白樺が「光を集めて輝く」文字盤だとすれば、SLGH017は「光を受けて深まる」文字盤です。同じ型打ち技術でありながら、ブラックの文字盤では光と影の関係が逆転し、凹凸がより劇的な陰影を生み出します。溝の中に光が入り込み、表面が暗く沈む。その対比が、白樺にはない「奥行き」と「静謐さ」を文字盤に与えているのです。

加えて、ケース素材をステンレススチールからブライトチタンへ変更したことで、装着感や質感にも独自の個性が生まれました。白樺がブランドの「顔」として広く認知された今、その対極に位置するSLGH017は、より深くブランドの世界観に踏み込みたいという愛好家の欲求に応える存在として機能しています。

2. 文字盤の魅力 ― 夜の白樺林を映すブラックダイヤル

SLGH017の文字盤は、このモデルの核心です。白樺(SLGH005)と同様に、岩手県の平庭高原に広がる白樺林をモチーフとした縦方向の型打ちパターンが施されています。約400ヘクタールの広大な面積に約31万本の白樺が自生するこの高原は、岩手県立自然公園にも指定されている景勝地です。

ブラックの文字盤の上では、その表情はまったく異なるものになります。光の当たり方によって、漆黒から深いチャコールグレーまで多彩な表情を見せ、夜の白樺林に月光が差し込んだような幻想的で静かな美しさを感じさせます。白樺が「昼の森」なら、SLGH017は「月夜の森」です。

エボリューション9コレクションならではの多面カットを施した針と、中心に溝の入った立体的なインデックスが、ブラックダイヤルの上でひときわ鮮明に浮かび上がります。白樺では文字盤全体が光を反射するため針との境界がやわらかくなりますが、ブラックダイヤルでは背景が沈むことで針とインデックスのコントラストが強まり、視認性がさらに際立つ仕上がりとなっています。

3. ケースとブレスレット ― ブライトチタンとエボリューション9スタイル

ケースサイズは白樺と同じ横40.0mm×縦47.0mm×厚さ11.7mmですが、素材が大きく異なります。白樺のステンレススチールに対し、SLGH017にはグランドセイコー独自のブライトチタンが採用されています。

ブライトチタンは、一般的なチタンよりも白く美しい色調を持ち、軽量でありながら耐傷性と耐食性にも優れた素材です。この素材の恩恵は、重量に端的に表れています。白樺(SLGH005)の178gに対し、SLGH017は114g。同じケースサイズでありながら64gもの差があり、長時間の着用でも疲れにくい軽快な装着感を実現しています。

ケースの仕上げは、ザラツ研磨による歪みのない鏡面仕上げと繊細なヘアライン仕上げの組み合わせです。ブライトチタンであってもステンレススチールに遜色ない質感の研磨が施されており、静かで調和のとれた光のグラデーションを生み出しています。ブラックダイヤルとの対比で、ケースの鏡面がより美しく際立つ点もこのモデルの魅力です。

エボリューション9スタイルに基づく低い重心設計と、ケース径の1/2以上の広い幅を持つ安定感のあるブレスレットが、手首にしっかりとフィットします。日常使いの時計としての実力を十分に備えたプロポーションです。

4. キャリバー9SA5の実力

搭載されるムーブメントは、グランドセイコーが2020年に開発した機械式ムーブメントの最高峰、キャリバー9SA5です。毎時36,000振動のハイビートでありながら、約80時間のロングパワーリザーブを実現。金曜の夜に外しても月曜の朝にはまだ動いているという実用性を備えています。

この高い性能を支えるのが、デュアルインパルス脱進機とツインバレル(二つの動力ぜんまい)です。デュアルインパルス脱進機は、動力を極めて効率よく調速機構に伝える機構であり、ツインバレルは従来の約2倍の高トルクを確保します。この二つの技術の連動により、ハイビートとロングパワーリザーブという相反する要素の両立を成し遂げました。

静的精度は平均日差+5秒~-3秒。MEMS(微細加工技術)を用いた部品設計により薄型化にも成功しており、エボリューション9コレクションの洗練されたケースデザインを可能にしています。

シースルーバックからは、雫石川の流れを表現したストライプ模様が施されたムーブメントの仕上げを楽しむことができます。表裏どちらから見てもグランドセイコーの美学が宿る、完成度の高い一本です。

5. 白樺(SLGH005)との対比

SLGH017を語る上で、白樺(SLGH005)との対比は避けて通れません。この二つのモデルは、グランドセイコーの文字盤芸術における「光と影」の関係にあります。

両モデルの主な違いは、文字盤の色とケース素材です。白樺はシルバーの型打ちダイヤルとステンレススチールケースの組み合わせで、明るく力強い印象を与えます。対してSLGH017は、ブラックの型打ちダイヤルとブライトチタンケースの組み合わせで、深く静謐な印象を放ちます。搭載するムーブメントは同一のキャリバー9SA5であり、精度や機能面での差異はありません。

白樺は、太陽の光を全身に浴びて輝く白樺林のイメージです。エネルギッシュで華やかで、一目で人を魅了する力があります。対してSLGH017は、月光に照らされた夜の白樺林。静かで、深く、見つめるほどに引き込まれる美しさがあります。

実用面での違いも見逃せません。白樺の178gに対しSLGH017の114gという重量差は、日常的に着用する上で大きな違いとなります。また、ブライトチタンは耐食性に優れ、金属アレルギーにも対応しているため、より幅広い方に安心して着用していただけます。

価格は白樺の1,276,000円(税込)に対し、SLGH017は1,463,000円(税込)。ブライトチタン採用による差額ですが、軽さと耐傷性という実用的なメリットを考慮すると、十分に納得のいく価格差と言えるでしょう。当店では無金利100回分割でのお支払いにも対応しておりますので、月々のご負担を抑えながらお求めいただくことも可能です。

6. まとめ:闇の中に宿る、新しい光

SLGH017は、グランドセイコーの文字盤芸術が到達した新たな地平です。白樺という「光」の傑作を生み出した後に、「影」の傑作を完成させた。この二つの存在によって、グランドセイコーの自然表現は、より完全で、より深いものになりました。

暗い文字盤の中に浮かび上がる白樺の模様。それは、闇の中にこそ見える本質の光を象徴しているようです。派手さではなく深さで勝負する。主張ではなく余韻で語る。SLGH017は、グランドセイコーというブランドの美学を、最も端的に体現するモデルの一つと言えるでしょう。

ブライトチタンの軽やかな装着感とブラックダイヤルの深い表情。日々の腕元で、夜の白樺林が静かに語りかけてくれるはずです。SLGH017はグランドセイコーブティックおよびグランドセイコーサロンでのお取り扱いとなります。気になられた方は、ぜひ店頭で実物をお手に取ってください。写真では伝わらない光と影の表情が、きっとあなたの心を動かすはずです。

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