毎朝、りゅうずを指先でつまんで、ゆっくりと巻き上げる。手巻き時計には、自動巻きにはない静かな時間があります。グランドセイコーでその役割を担うのが、キャリバー9S64です。
この記事では、9S64を搭載する6本をご紹介します。季春と杪夏を映したSBGW283・SBGW285、44GS現代デザインのSBGW297・SBGW299・SBGW323、そしてクラシックスタイルのSBGW305です。いずれも671,000円から781,000円(税込)の価格帯にあります。
手巻きならではの薄さと軽さ、そして6本それぞれのダイヤルの読み解き方まで、徳島のグランドセイコーサロン認定店・時計専門店ハラダがご紹介します。
※本記事の内容は2026年8月時点の情報です。
キャリバー9S64とは
ローターを持たない手巻きの構造
9S64は、グランドセイコーの手巻き専用ムーブメントのひとつです。自動巻きに必要なローター(回転錘)を持たないため、ムーブメント全体を薄く仕上げられます。
精度は平均日差+5秒〜-3秒。これはグランドセイコー独自の規格に基づき、工場出荷前にムーブメント単体の状態で測定した静的精度です。手巻きだからといって精度で妥協はありません。
薄さと軽さにつながる
ローターがないぶん、ケースも薄くまとまります。今回ご紹介する6本のケース厚は11.6〜11.7mm。とくにSBGW283とSBGW285は重量61gと、機械式としては際立って軽い数値です。
腕時計の重さが気になる方、袖口への収まりを重視される方には、手巻きという選択肢が向いています。
毎日巻くという所作
自動巻きは腕の動きでぜんまいが巻かれますが、手巻きは自分の手で巻き上げます。この「ひと手間」を煩わしいと感じるか、愛着の源と感じるか。ここが手巻きを選ぶかどうかの分かれ道です。
店頭では「朝の習慣ができた」「時計と向き合う時間が増えた」というお声をよくいただきます。時計を道具としてだけでなく、日々の相棒として付き合いたい方に選ばれています。
6本の比較表
| 品番 | ダイヤル | ケース径 | 重量 | 防水 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| SBGW283 | ライトブルー(季春) | 37.3mm | 61g | 日常生活用防水 | 671,000円 |
| SBGW285 | グリーン(杪夏) | 37.3mm | 61g | 日常生活用防水 | 671,000円 |
| SBGW297 | ホワイト(放射模様) | 36.5mm | 132g | 10気圧 | 770,000円 |
| SBGW299 | ダークブルー(放射模様) | 36.5mm | 132g | 10気圧 | 770,000円 |
| SBGW323 | パープル(岩手山パターン) | 36.5mm | 132g | 10気圧 | 770,000円 |
| SBGW305 | ホワイト | 37.3mm | 108g | 日常生活用防水 | 781,000円 |
大きく分けると、レザーストラップの軽量2本(SBGW283・285)、44GS現代デザインの3本(SBGW297・299・323)、クラシックスタイルの1本(SBGW305)という構成です。
移ろう季節を映す2本|SBGW283・SBGW285

季春の若葉、杪夏の深緑
エレガンスコレクションのこの2本は、日本の移ろう季節をダイヤルの色で表現しています。
SBGW283のテーマは「季春(きしゅん)」——春から夏へと移ろう季節を表す言葉で、若葉を思わせるライトブルーのダイヤルです。SBGW285は「杪夏(びょうか)」——夏から秋へと移ろう季節を表し、深い緑を映しています。どちらも671,000円(税込)です。
61gという軽さ
この2本の際立った特徴が重量61gという軽さです。37.3mm・厚さ11.7mmのケースにレザーストラップという組み合わせが、この数値を実現しています。
機械式時計で61gという数値は、なかなかお目にかかれません。「腕時計をつけている感覚が薄い」とおっしゃる方も多く、一日中着けていても負担になりにくい仕上がりです。
なお防水性能は日常生活用防水です。手洗いや小雨には対応しますが、水仕事や水泳には向きません。レザーストラップということもあり、水まわりでのご使用はお控えください。
44GS現代デザインの3本|SBGW297・SBGW299・SBGW323

グランドセイコースタイルの原点
1967年に登場した「44GS」は、グランドセイコー独自のデザイン哲学「グランドセイコースタイル」を確立したモデルです。平面と稜線で構成されたケースを歪みなく磨き上げ、光を鮮やかに反射させる——その思想が、この3本に受け継がれています。
ケースは36.5mm・厚さ11.6mm・重量132g。日常生活用強化防水(10気圧)を備え、価格は3本とも770,000円(税込)です。
SBGW297・SBGW299|放射模様の白と紺
SBGW297はホワイト、SBGW299はダークブルーのダイヤルで、いずれも中心から広がる放射模様が施されています。光の角度によって筋目が現れては消え、平らな一色とはまったく異なる奥行きを見せます。
白は装いを選ばない万能さ、紺は落ち着いた品の良さ。ビジネスシーンでの使いやすさを重視されるなら、この2本が候補になります。
SBGW323|岩手山を映すパープル
SBGW323は、岩手山の情景を淡いパープルで描いた一本です。型打ちのパターンが光を受けて表情を変え、紫という色がもたらす静かな個性が手元に宿ります。
紫のダイヤルは、グランドセイコーのなかでも数の限られた色合いです。「人と違う一本を持ちたい」「白や紺は持っているので次の色を」という方に、よくご提案しています。
クラシックスタイルの一本|SBGW305

SBGW305は、小ぶりな37.3mmのケースにボックス型のサファイアガラスを組み合わせたクラシックスタイルです。重量108g、価格は781,000円(税込)。
ボックス型ガラスは中央がゆるやかに盛り上がった形状で、往年のドレスウォッチを思わせる佇まいをつくります。ザラツ研磨を施したケースが光を受けて輝き、シースルーバックの裏ぶたからは9S64の仕上げを眺められます。
装飾を削ぎ落とした端正な文字盤ですので、フォーマルな場面にも自然に収まります。
どう選ぶか|3つの視点
1. 軽さで選ぶなら
61gのSBGW283・SBGW285が突出しています。次いで108gのSBGW305、132gの44GS現代デザイン3本という順です。手首への負担を最優先されるなら、レザーストラップの2本をお試しください。
2. 使うシーンで選ぶなら
水まわりでの安心感を求めるなら、10気圧防水のSBGW297・299・323。ドレス寄りの使い方が中心なら、日常生活用防水のSBGW283・285・305でも十分に対応できます。
3. ダイヤルの表情で選ぶなら
放射模様(SBGW297・299)は光で筋目が動く端正な表情、岩手山パターン(SBGW323)は型打ちの立体感、季春と杪夏(SBGW283・285)は色そのものが季節を語ります。実機を並べて見比べていただくと、違いがはっきり分かります。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 手巻きは毎日巻かないといけませんか?
9S64の持続時間は最大巻上時で約72時間です。毎日巻くのが基本ですが、一日巻き忘れても止まりません。ただし安定した精度で使うには、毎朝同じタイミングで巻き上げる習慣をおすすめしています。
Q2. 巻きすぎて壊れることはありませんか?
ぜんまいが巻き上がりきると、それ以上は巻けない構造になっています。抵抗を感じたらそこで止めていただければ問題ありません。
Q3. 6本のなかで一番おすすめはどれですか?
用途によって変わります。軽さならSBGW283・285、使い勝手ならSBGW297・299、個性ならSBGW323、クラシックな佇まいならSBGW305です。店頭では実際に手首に乗せて見比べていただけますので、ぜひお試しください。
Q4. 実機を見られますか?
当店はグランドセイコーサロン認定店です。徳島の店頭でご覧いただけます。事前にご連絡いただけますと、ご希望の品番をご準備してお待ちできます。LINEでのご相談も承っております。
まとめ
キャリバー9S64を搭載する6本は、手巻きならではの薄さと軽さを共有しながら、ダイヤルの表情はそれぞれ異なります。671,000円から781,000円(税込)という価格帯のなかで、季節を映す色、放射模様の端正さ、岩手山の型打ちと、選ぶ楽しみがあります。
毎朝ぜんまいを巻く所作は、時計と向き合う時間そのものです。その積み重ねが、一本への愛着を深めていきます。
気になる一本がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。実機を並べてのご相談も承っております。
※掲載内容は2026年8月時点のものです。価格は変更となる場合がございます。
ハラダ GS担当 藤本
グランドセイコーの在庫・価格の一覧は本店サイトでご確認いただけます:グランドセイコー在庫一覧(正規販売店HARADA本店)