グランドセイコーのオーバーホール(メーカー正規のコンプリートサービス)の料金は、9Fクオーツで60,500円〜、機械式(9S)とスプリングドライブ(9R)で88,000円〜が目安です。推奨される頻度は、公式サイトの案内で3〜4年に一度とされています。
本記事では、機構別の料金目安と内訳、オーバーホールが必要になる理由、そして当店での受付の流れまでを順にご説明します。「高いのか、安いのか」――その判断材料を、正規販売店の立場からお渡しできればと思います。
1. 料金の目安 ── 機構別一覧
コンプリートサービス 料金目安(税込)
| 機構 | クオーツ(9F系) | 60,500円〜 |
|---|---|---|
| メカニカル(9S系) | 88,000円〜 | |
| スプリングドライブ(9R系) | 88,000円〜 |
上記は公式案内に基づく基本料金の目安です。部品の摩耗や外装の状態によって追加費用が発生する場合があり、正確な金額は点検後のお見積もりで確定します。メーカーのオンライン修理受付でも概算を確認できますが、当店の店頭でも受付からお見積もりまで承っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
2. 頻度 ── 公式推奨は「3〜4年に一度」
グランドセイコー公式サイトは、3〜4年に一度のオーバーホール実施を推奨しています。毎日使う方も、休日だけ使う方も、内部の潤滑油は時間とともに劣化していくためです。なお9Fクオーツは構造上ムーブメントの負荷が小さく、実際の店頭では電池交換のタイミングで状態を拝見しながら、少し長めの周期をご提案することもあります。
3. なぜ分解掃除が必要なのか? オイルの賞味期限

時計のムーブメントには、摩耗を防ぐために微量の「潤滑油(オイル)」が注されています。このオイルの寿命が、およそ3〜4年です。
オイルが乾いた状態で時計を動かし続けるとどうなるか。金属同士が直接こすれ合い、歯車が削れ、鉄粉が飛び散ります。一度削れてしまった部品は、二度と元には戻りません。
オーバーホールとは、時計を完全にバラバラに分解し、汚れたオイルを洗浄し、新しいオイルを注し直す作業。つまり、エンジンオイル交換と同じです。これをサボると、最終的にエンジン(ムーブメント)ごと載せ替えになり、修理費は20万円コースになります。
4. グランドセイコーのオーバーホールに含まれる「標準セット」が凄い
GSのコンプリートサービス(オーバーホール)が凄いのは、単に「洗って注油する」だけではない点です。基本料金の中に、以下の内容が含まれています。
全パッキンの交換:裏蓋、リューズ、ガラスなどのゴムパッキンをすべて新品にします。防水性能が復活します。
防水検査:水圧をかけて、漏れがないか厳密にテストします。
磁気抜き:帯びてしまった磁気を完全に除去します。
精度調整:新品時のスペックが出るように、緩急針などを微調整します。
ライトポリッシュ(ケース研磨):これが一番の目玉です。
5. 「ライトポリッシュ」という魔法。小傷が消える感動

多くのブランドでは、ケース研磨(ポリッシュ)は別料金(+2万円〜)です。しかし、グランドセイコーのコンプリートサービスには、「ライトポリッシュ」が含まれています。
これは、ケースやブレスレットについた「日常の小傷」を、職人がバフで磨いて消してくれるサービスです。(※深い傷は消えませんが、くすみや擦り傷は綺麗になくなります)
オーバーホールから帰ってきた時計の箱を開けた瞬間。「えっ、これ新品に交換されたの?」と錯覚するほど、ピカピカに輝いています。ザラツ研磨の輝きが蘇るのです。
自分の時計が若返って帰ってくる。この感動体験込みでの価格だと考えれば、決して高くはありません。
6. 専門医による執刀。技能士たちのプライド
お客様の時計を分解するのは、アルバイトではありません。国家資格である「時計修理技能士」を持つ、熟練の職人たちです。彼らは、GSのムーブメントの癖、弱点、構造を熟知しています。
「この歯車の減りが早いな、使い方が激しいのかな」「リューズの汚れがひどいな」──時計の状態からオーナーの使い方を推測し、最適な処置を施します。
まさに、かかりつけの名医による手術。安心感が違います。
7. 戻ってきた時計は、もはや「新品」である
メンテナンスを終えた時計には、「修理完了報告書」が添付されます。そこには、交換した部品や、調整後の精度結果(日差+○秒など)が記されています。これは、時計の健康診断書であり、復活の証明書です。
リューズを回した時の「カリカリ」という感触。ブレスレットのシャキッとした動き。文字盤の輝き。すべてが新品の頃の感覚に戻っています。
「おかえり。また今日からよろしくな」──その瞬間、支払ったお金のことなど忘れてしまうでしょう。
8. まとめ:この料金で「次の数十年」が買えるなら

グランドセイコーは、「一生モノ」と言われます。しかし、何もしなければ一生は持ちません。メンテナンスという「投資」をして初めて、一生モノになるのです。
3年に一度、8万円。1年あたり約2.6万円。1日あたり約70円。たった70円で、最高峰の精度と輝きを維持できるなら、安いと思いませんか?
オーバーホールは、修理ではありません。愛する時計への、数年に一度のご褒美なのです。
保証期間内の扱いなど、メーカー保証とコンプリートサービスの関係は「グランドセイコーの保証とコンプリートサービス」で詳しくまとめています。
お預かりからご返却までの手順や、郵送でのご依頼方法、ご用意いただくものは「グランドセイコーのオーバーホールはなぜ必要?ご依頼の流れとメリット」でご案内しています。
よくある質問 (FAQ)
Q1. オーバーホールの料金はいくらですか?
Q2. 何年ごとに出せばよいですか?
Q3. どこに依頼すればよいですか?
気になる一本がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。徳島のグランドセイコーサロン認定店として、実機を並べてのご相談を承っております。
※掲載内容は2026年8月時点のものです。価格は変更となる場合がございます。最新の情報は当店までお問い合わせください。
ハラダ GS担当 藤本
グランドセイコーの在庫・価格の一覧は本店サイトでご確認いただけます:グランドセイコー在庫一覧(正規販売店HARADA本店)