2026年9月5日、グランドセイコーのエボリューション9 コレクションに、スプリングドライブ U.F.A.(キャリバー9RB2)を搭載した新作5本が加わりました。年差±20秒という精度を、日常使いのサイズと素材に収めた新世代です。
ハラダでGrand Seikoを担当しております、藤本と申します。本稿でご紹介するのは、その5本のうち、執筆時点(2026年9月)で当店に実機がございます3本――阿寺川の SLGB011、諏訪湖の SLGB013(40.0mm)と SLGB015(37.0mm)です。
この3本は、ムーブメントも素材も価格も同様であり、違いは文字盤と、ケースの大きさだけ。だからこそ、写真だけで購入を決めるのが難しいモデルでもあります。文字盤の陰影は光の向きで変わりますし、直径40.0mmと37.0mmの差は腕に載せてみて初めて分かるからです。
そこで今回は、自社で撮影した写真を交えながら、店頭でお客様に実機を見比べていただくとき、私がご案内している見どころをまとめました。まずは3本のスペックを表でご確認ください。
| 品番 | モチーフ/ダイヤル | ケース(横×縦×厚) | 重さ | 取扱区分 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| SLGB011 | 阿寺川/ブルーグリーンのグラデーション | 40.0×47.2×11.7mm | 168g | ブティック・サロン | 1,386,000円 |
| SLGB013 | 諏訪湖(朝陽)/ブルー | 40.0×47.2×11.7mm | 168g | ブティック・サロン・マスターショップ | 1,386,000円 |
| SLGB015 | 諏訪湖(朝陽)/ブルー | 37.0×44.3×11.4mm | 148g | ブティック・サロン・マスターショップ | 1,386,000円 |
3本共通:キャリバー9RB2(スプリングドライブ U.F.A./自動巻・手巻つき)、年差±20秒(月差±3秒相当)、最大巻上時 約72時間、エバーブリリアントスチール、日常生活用強化防水(10気圧)、2mm×3段階の微調整機構つき中留。
年差±20秒を「実機」で見る ── 9RB2の運針と、裏ぶたの刻印
キャリバー9RB2、通称「U.F.A.」は Ultra Fine Accuracy の略となります。本キャリバーは“年差”±20秒、月差に直せば±3秒相当という精度で、一般的なスプリングドライブの精度、月差±15秒(こちらもゼンマイ駆動としては破格の精度です)と比較すると、極限まで研ぎ澄まされています。ただ、この数字は実機を眺めていても見えるものではなく、購入して一ヶ月、一年と着用していくうちに実感していくものではないでしょうか。
そんなU.F.A.の新作モデルにおいて、目で見て実感できるのはふたつです。ひとつは、スプリングドライブならではの、止まることなく滑る「スイープ運針」。もうひとつは、裏ぶたのサファイアガラス越しに見える回転錘(ローター)に刻まれた「SPRING DRIVE ULTRA FINE ACCURACY」の文字です。文字盤側は、6時位置の上に「SPRING DRIVE UFA」と小さく記されているだけ。圧倒的な精度を有しつつも、それを表に出しすぎない静けさが、私はこのシリーズらしい美点と感じています。

年差±20秒がどのような仕組みで実現されているかは、スプリングドライブ U.F.A.の解説記事にまとめておりますので、本稿では実機で確かめられることに絞ってお話しします。
SLGB011 阿寺川 ── 青と緑のあいだで揺れる文字盤
SLGB011の文字盤は、スプリングドライブの製造地である「信州 時の匠工房」の南西を流れる阿寺川に着想を得ています。阿寺渓谷の清流は「阿寺ブルー」と呼ばれる透明な青緑で知られ、グランドセイコーはこれをブルーグリーンのグラデーションと繊細な型打ち模様で表現しました。渓谷を形成してきた悠久の時の流れ――というのが公式の説明です。

阿寺川の文字盤 ── 中央の明るい青緑から、外周の深い色へ
実機を斜めから見ると、文字盤の中央がいちばん明るく、外周へ向かって色が深く沈んでいくのが分かります。型打ち模様はごく細かな筋状で、光を斜めに受けたときにだけ、水の流れのような線が浮かび上がります。正面から見ると均一な青緑に見えるのに、少し傾けると表情が出る。この見え方の落差が、SLGB011「阿寺川」のいちばんの見どころではないでしょうか。

青とも緑とも言い切れない色ですので、「スーツに合うだろうか」と迷われる方も多いのではないでしょうか。私の見立てでは、外周の深い色が全体の印象を引き締めているため、ネイビーやチャコールのジャケットにはよく馴染みます。むしろ休日の軽装で、中央の明るい青緑が表に出るときのほうが、この文字盤の個性は際立つように思います。

直径40.0mm・重さ168gの装着感と、取扱ショップについて
ケースは横40.0mm・縦47.2mm・厚さ11.7mm、ブレスレット込みの重さは168gです。数字だけ見ると軽くはありませんが、ブレスレットが先に向かって細くなっているぶん、重さが手首の一点に集まらず、着けている実感は数字より穏やかです。また、後述する微調整機能を使えば、シンデレラフィットを目指すことができるでしょう。

ひとつ補足しておきたいのが取扱ショップについてです。SLGB011は、公式にグランドセイコーブティックとグランドセイコーサロンでのみ取扱があるモデルです。ハラダは徳島のグランドセイコーサロン認定店ですので、当店の店頭で実機をご覧いただけます。
SLGB013 諏訪湖 40.0mm ── 朝陽にさざめく湖面のブルー
SLGB013の文字盤は、同じ工房の東南に位置する諏訪湖の水面がモチーフです。湖面を渡る風にさざめく波と、そこに漂う朝陽のきらめきを、繊細な型打ち模様に重ねた放射目付で描き出しています。公式の説明にある「立体的な陰影」という言葉が、実機を見るといちばんしっくりきます。

諏訪湖の水面(みなも)文字盤 ── 型打模様の陰影と、放射目付のきらめき
接写すると、波のうねりのような凹凸が文字盤の全面に広がり、その上に中心から外へ向かう細かな筋目が重なっているのが見えます。光が当たった部分だけが明るく立ち上がり、それ以外は濃紺に近い深さへ沈む。ひとつの文字盤の中で、明るい場所と暗い場所が動くのです。

SLGB011の文字盤が「傾けると表情が出る」タイプだとすれば、SLGB013は「正面から見ても常に表情がある」タイプです。同型の直径40.0mmのケースですので、店頭で二本を並べると、文字盤の違いだけがそのまま印象の違いになります。静かな青緑を取るか、動きのある青を取るか。ここは好みが素直に分かれるところです。

SLGB015 諏訪湖 37.0mm ── 同じ青を、ひとまわり小さく
SLGB015は、SLGB013と同じ諏訪湖の文字盤を、横37.0mm・縦44.3mm・厚さ11.4mmのケースに収めた一本です。重さは148g。SLGB013より20g軽く、縦方向で2.9mm短くなっています。ムーブメント、素材、価格はすべて共通です。

40.0mmと37.0mm、腕に載せるとどれほど違うか
私の腕周り約18cmでは、40.0mmのSLGB013が「しっかりとした存在感」、37.0mmのSLGB015が「控えめで、袖口に収まる」という違いになります。3mmの差は数字にすると小さいのですが、縦の長さも2.9mm変わりますので、手首の上での面積の差は思いのほか大きく感じられます。


手首が細めの方や、薄手のシャツの袖口に収めたい方には、37.0mmのほうが日常で扱いやすいでしょう。女性の手首(参考値でおよそ14cm前後)にも合わせやすいサイズですので、シェアウォッチや、お二人でサイズ違いのペアウォッチという選び方にもおすすめです。

3本に共通する、実機で確かめていただきたいこと
今回取り上げた3本は、文字盤とサイズ以外は共通となります。しかし、その「共通の部分」にこそ、今回の新作でリニューアルされたポイントが集まっています。店頭ではその3点を、必ず手に取ってお確かめいただくよう勧めております。
2mm×3段階の微調整機構つき中留
中留には、2mm単位で3段階、計6mmのスライド調整ができる微調整機構が備わりました。コマの抜き差しでは合わせきれなかった半コマ分の隙間を、工具不要で詰めたり緩めたりできるのです。夏場に手首が張る方、冬に緩みが気になる方には、日々の快適さが変わる機構です。



エバーブリリアントスチールの白さと、ブレスレットの当たり
ケースとブレスレットは、通常のステンレススチールよりも白く輝き、耐食性が極めて高いエバーブリリアントスチール製です。写真では伝わりにくいのですが、実機を通常のステンレスのモデルと並べると、色味がわずかに白いことが分かります。深い青や青緑の文字盤において、この白さとの対比が縁取りのように効いています。


裏ぶた側のパワーリザーブ表示
9RB2のパワーリザーブ表示は、文字盤側ではなく裏ぶた側にあります。サファイアガラスの裏ぶた越しに、回転錘の下で青い針が小さな扇形の目盛りを指しているのが見えます。表の文字盤に表示が無いぶん、諏訪湖も阿寺川も、模様が途切れることなく一枚の景色として広がるのです。

最大巻上時のパワーリザーブは約72時間です。金曜の夜に外して月曜の朝に着ける、という使い方でも止まりにくい持続時間ですが、裏返して残量を確かめる、という小さな習慣が生まれるのも、このモデルらしい付き合い方かもしれません。

どう選ぶか ── 色で選ぶか、サイズで選ぶか
整理します。3本は価格もムーブメントも素材も同じですので、決め手は「文字盤の色」と「ケースの大きさ」の二つだけです。
青緑のグラデーションという、他にない色を楽しみたい方には SLGB011。傾けたときにだけ現れる流れの模様を、ご自身だけの楽しみにできる一本です。

常に表情のある青を、40.0mmの存在感で着けたい方には SLGB013。手首の上で光が動く文字盤は、会話の中でふと目をやったときに、いちばん応えてくれます。

同じ青を、軽く、袖口に収まる大きさで着けたい方には SLGB015。148gの軽さと37.0mmの径は、日常でいちばん扱いやすい組み合わせです。

色の感じ方にもサイズの感じ方にも個人差がございます。可能であれば、3本を腕に載せて見比べていただくのが、いちばん確かな選び方です。並べてみると、写真では同じに見えていた青が、まったく別の顔をしていることに気づかれるはずです。
正規販売店ハラダから ── 実機のご確認と、実物動画のご案内
ハラダは創業1929年の腕時計専門店で、徳島のグランドセイコーサロン認定店です。SLGB011・SLGB013・SLGB015の3本は、執筆時点で店頭に実機がございます。ご来店いただければ、3本を並べて私がご案内いたします。
遠方でご来店が難しい方には、気になる一本の実物を撮影した動画をお送りする対応も承っております。文字盤の陰影は動画のほうが伝わりやすいので、ご検討の際にはぜひお気軽にお申し付けください。お問い合わせフォームで品番をご指定いただくだけで結構です。
お支払いは最大100回まで無金利分割をご利用いただけます。ご購入後3年間の対物保険(ホディンキーウォッチケア)についても、店頭またはお問い合わせの際にご説明いたします。在庫は日々変動いたしますので、最新の状況はお問い合わせください。
よくある質問 (FAQ)
Q1. スプリングドライブ U.F.A.とは何ですか?
Q2. SLGB013とSLGB015の違いは何ですか?
Q3. SLGB011はどこで購入できますか?
Q4. パワーリザーブ表示はどこにありますか?
Q5. 防水性能はどの程度ですか?
気になる一本がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。徳島のグランドセイコーサロン認定店として、ご相談を承っております。
※掲載内容は2026年9月時点のものです。価格は変更となる場合がございます。最新の情報は当店までお問い合わせください。
ハラダ GS担当 藤本
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