グランドセイコーは傷つきやすい?「ザラツ研磨」の修理費用と5年間の維持費を完全公開【後悔しないための全知識】

2026.02.18 2026.02.18 約6分 コラム

「グランドセイコー(GS)が欲しいけれど、あの美しい鏡面はすぐに傷ついてしまうのではないか?」
「維持費が高そうで、買ってから後悔したくない」
そんな不安を抱えていませんか?

結論から申し上げますと、グランドセイコーの「ザラツ研磨」による鏡面仕上げは、一般的な時計よりも傷が目立ちやすい側面があります。美しすぎるがゆえの宿命です。

しかし、絶望する必要はありません。GSには「新品同様に蘇らせる」ための充実したメンテナンスプログラムが用意されています。

この記事では、正規販売店でもなかなか語られない「傷のリアル」と、実際に修理に出した場合の「費用と期間」、そして購入前に知っておくべき「5年間の維持費」について、包み隠さず解説します。

グランドセイコーの「ザラツ研磨」は傷つきやすいのか?

鏡面が美しすぎるがゆえの「代償」

グランドセイコーの最大の特徴である「ザラツ研磨」。歪みのない鏡面は、光を反射して宝石のように輝きます。しかし、その歪みのなさは、わずかな小傷(スクラッチ)さえも敏感に映し出してしまうことを意味します。

ヘアライン仕上げ(筋目)の時計なら気にならないような薄い線傷でも、GSの鏡面部分では「完璧な鏡」に入ったヒビのように目立ってしまうのです。

日常生活でつく傷のレベル

普通に生活しているだけでも、以下のようなシーンで「いつの間にか」傷は増えていきます。

デスクワーク: パソコンのパームレストとバックルが擦れる(バックルの小傷)
ドアノブ: 通り抜けざまに時計の側面を軽くぶつける(ケースサイドの打痕)
着替え: ジャケットのファスナーやボタンと接触する

これらは避けようがありません。「使えば傷つくもの」と割り切る心構えが最初に必要です。

素材による違い:ステンレス vs ブライトチタン

傷を少しでも減らしたい場合は、「ブライトチタン」モデルを検討することをおすすめします。

GSのブライトチタンはステンレススチールよりも硬度が高く、擦り傷に強い特性があります。一方で、チタンであっても強い衝撃による「打痕(凹み)」は防げませんし、ステンレス特有の重厚な輝き(白さ)とは色味が異なる点には注意が必要です。

【実体験】傷だらけのGSを修理に出してみた(費用と期間)

では、傷ついてしまったGSはどうすればいいのでしょうか?

メーカー(セイコータイムラボ)には、傷を修復するための2つのメニューがあります。

1. 「ライトポリッシュ」と「外装リペアポリッシュ」の違い

メニュー内容対象の傷費用
ライトポリッシュ表面を軽く整え、艶を出す軽研磨浅い擦り傷、くすみオーバーホール料金に含む(※単体受付不可)
外装リペアポリッシュ熟練職人がフォルムを整え直す本格研磨深い傷、目立つ打痕別途有料

多くの人は3〜5年に一度のオーバーホール(分解掃除)のタイミングで「ライトポリッシュ」を受けます。これにより、日常使いの小傷は綺麗になります。

しかし、「ガツン」とぶつけてしまった深い凹み(打痕)はライトポリッシュでは消えません。ここで登場するのが「外装リペアポリッシュ」です。

実際の見積もり例(コンプリートサービス利用時)

項目概算費用(税込)備考
コンプリートサービス約 77,000円オーバーホール + ライトポリッシュ
オプション:外装リペアポリッシュ+ 約 46,000円ケース(本体)のみの研磨の場合
合計約 123,000円期間:約 1〜1.5ヶ月

※価格は2025年時点の目安です。モデルや状態により変動します。

これを「高い」と感じるか、「新品を買い直すよりはるかに安い」と感じるかが、GSオーナーの分かれ道です。

筆者の感想としては、戻ってきた時計を見た瞬間、「えっ、これ新品交換された?」と疑うほどの輝きを取り戻しており、12万円の価値は十分にあると感じました。

グランドセイコーを一生使い続けるための「維持費」シミュレーション

購入後に「維持費が払えない!」と後悔しないよう、10年間にかかるランニングコストを試算しておきましょう。

クオーツ(9F)の場合:最も維持費が安い

クオーツモデルは機械的な部品点数が少なく、維持費は非常に優秀です。

電池交換: 約 8,800円(2〜3年に1回)
コンプリートサービス: 約 58,300円(7〜8年に1回推奨)
10年間の目安: 約 8〜9万円

機械式・スプリングドライブの場合

複雑な機構を持つため、定期的なケアが必須です。

コンプリートサービス: 約 79,200円(3〜4年に1回推奨)
10年間の目安: 約 15〜23万円(2〜3回実施)

「ロレックス」や「オメガ」のクロノグラフモデル等のオーバーホール料金(10万円〜)と比較すると、GSの維持費は「高級時計としては標準的〜やや良心的」な部類に入ります。特に、ライトポリッシュが基本料金に含まれている点はお得です。

それでも「後悔」しないために知っておくべきこと

1. 「傷も味になる」は間違い?

ヴィンテージのミリタリーウォッチなら傷も「味」になりますが、グランドセイコーの美学は「光と陰」のコントラストにあります。傷だらけで曇ったGSは、魅力が半減してしまいます。

「ボロボロになるまで使い倒す」よりも、「大切に使い、定期的に磨き直してリセットする」というサイクルを楽しむ時計です。

2. 公式の部品保有期間を超える長期サポート体制

多くのブランドが生産終了後10年程度で部品保有を打ち切る中、グランドセイコーは公式に「生産終了後の部品保有期間10年を超えて、さらに長期間の修理ができる体制」を整えていると明言しています。実際には、製造中止後30年分程度の部品をあらかじめストックしているとも言われており、異例の長期サポートが期待できます。

「傷ついても、壊れても、直せる」。この安心感こそが、維持費以上の価値です。

3. 傷が怖い人へのおすすめ

どうしても傷が気になる方は、以下のモデルを検討してください。

セラミックス採用モデル: スプリングドライブのスポーツコレクションなど。極めて硬く、ほぼ傷がつきません。
ベゼルレスのデザイン: 傷が一番目立つのは「ベゼル(ガラスの周りの縁)」です。ベゼルのない、または細いデザイン(SBGX261など)は比較的傷が目立ちにくいです。

まとめ

グランドセイコーは確かに傷がつきやすい(目立ちやすい)時計です。しかし、それは他にはない「美しさ」の裏返しでもあります。

日常の小傷: 3〜4年ごとのオーバーホール(コンプリートサービス)の「ライトポリッシュ」で綺麗になる。
深い傷: お金をかければ「外装リペアポリッシュ」で新品同様に戻せる。
維持費: 10年で数万円(クオーツ)〜20万円弱(機械式)。これを月額換算すれば、決して高い出費ではありません。

「傷つくことを恐れて着けない」のが一番の損失です。

人生の時間を刻むパートナーとして、傷さえも愛し、時にはプロの手で癒やしてあげながら、永く付き合っていってください。

よくある質問 (FAQ)

ザラツ研磨は何回までできますか?

研磨は金属を薄く削る作業です。通常5〜6回程度が限界と言われていますが、メーカー修理ではケースの痩せ(変形)を最小限に抑えるよう配慮されています。一生のうちで使い切る心配はほぼありません。

街の時計屋さんで研磨してもいいですか?

絶対にNGです。 ザラツ研磨は特殊な技術と設備が必要です。一般的な研磨では、GS特有のエッジ(稜線)が丸まってしまい、取り返しのつかないことになります。必ずセイコー正規のサービスセンターに依頼してください。

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落ち着いた雰囲気のバーカウンターで時計について語らうこともできる。

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