「SLGA025は、まだ手に入りますか」。後継のSLGB011が2026年9月5日に発売されてから、店頭とお問い合わせでこの質問をいただく機会が増えました。
先にお答えします。SLGA025は、グランドセイコー公式サイトのカタログでは掲載が終了しています(2026年9月時点)。ただ、正規販売店ハラダには在庫がございます。在庫限りにはなりますが、いま手に入るモデルです。
SLGA025は、2024年9月に発売された阿寺川(あてらがわ)モチーフのスプリングドライブです。キャリバー9RA2は月差±10秒・最大巻上時約120時間(5日間)、ケースとブレスレットはブライトチタンで重さ112g、メーカー希望小売価格は1,463,000円(税込)です。
ハラダでGrand Seikoを担当しております藤本です。後継が出たいま、あえてこの一本を選ぶ理由があるのか。軽さ、5日間の持続時間、そしてエメラルドグリーン寄りの阿寺川という三つの個性を軸に、後継SLGB011との違いも隠さずにお話しします。

先に結論|SLGA025を選ぶ方、SLGB011を選ぶ方
二本は同じ阿寺川をモチーフにしながら、性格がはっきり分かれています。店頭で私がご案内している選び分けを、先に表にまとめます。
| こういう方に | SLGA025(先代・在庫限り) | SLGB011(後継・現行) |
|---|---|---|
| 重さ | 112g。軽さを最優先する方 | 168g。ステンレスの手応えが好きな方 |
| 持続時間 | 約120時間。週末に外す習慣のある方 | 約72時間。ほぼ毎日着ける方 |
| 精度 | 月差±10秒で十分な方 | 年差±20秒を求める方 |
| 文字盤 | 均一に明るいエメラルドグリーン寄りの青緑 | 中央と外周で明暗のあるブルーグリーンのグラデーション |
| 中留 | ワンプッシュ三つ折れ(コマ調整は店頭で) | 微調整機構つき(2mm×3段階) |
| 価格(税込) | 1,463,000円 | 1,386,000円 |
価格は先代のほうが高い点にご注意ください。ブライトチタンの外装がそのぶんに当たります。「軽さ」と「5日間」に価値を感じる方にとっては、後継が出た後もSLGA025を選ぶ理由が残っている、というのが私の正直な見立てです。
SLGA025 基本スペックと価格
SLGA025 基本スペック
| コレクション | エボリューション9 コレクション |
|---|---|
| キャリバー/駆動 | 9RA2/スプリングドライブ 自動巻(手巻つき) |
| 精度 | 平均月差±10秒(日差±0.5秒相当) |
| 持続時間 | 最大巻上時 約120時間(約5日間) |
| 外装 | ブライトチタン(裏ぶた:ブライトチタン+サファイアガラス、シースルースクリューバック) |
| ガラス | デュアルカーブサファイア、内面無反射コーティング |
| ケースサイズ | 横40.0×縦47.9×厚さ11.8mm |
| 重量 | 112g |
| バンド/中留 | 幅22mm/ワンプッシュ三つ折れ方式(腕周り長さ最長195mm) |
| 防水・耐磁 | 日常生活用強化防水(10気圧)・耐磁あり |
| 発売日 | 2024年9月7日 |
| 価格(税込) | 1,463,000円 |
阿寺川のエメラルドグリーン ── 川底まで見透かせる清流の文字盤
スプリングドライブの製造地である長野県は、標高3000m級の山が連なる地です。その山々から流れる木曽川水系の一級河川、阿寺川は、阿寺渓谷と名付けられた深い谷を刻んでいます。SLGA025の文字盤は、エメラルドグリーンに透き通った阿寺川をモチーフに、川底まで見透かせる清流と夏の豊かな自然の調和を描いた、というのが公式の説明です。

実物を後継SLGB011と並べて見ると、色の違いは「明暗の差」にあります。SLGB011が中央の明るい青緑から外周の深い青緑へ沈むグラデーションなのに対し、SLGA025は全体が均一に明るい。青緑の中でも緑寄りで、写真によっては青に見える瞬間もありますが、店頭の明るい場所では翡翠のような色に見えます。

私がこの文字盤を好きな理由は、暗い場所でも色が消えないことです。後継の深いグラデーションも美しいのですが、夕方の店内で腕元を見たときに、先代のほうが「青緑のまま」でいてくれます。どちらが良いかではなく、どちらの顔が好きか、の話ではないでしょうか。

ブライトチタン ── 112gという軽さと、グレーがかった明るい質感
SLGA025のケースとブレスレットはブライトチタンです。セイコーグループ独自のチタン合金で、ステンレススチールに比べて約30%軽く、耐傷性と耐食性に優れます。数字にすると112g。後継SLGB011の168gと持ち替えると、はっきり分かる差です。

私がSLGA025を初めて手にしたときに驚いたのも、この軽さでした。40.0mmのケースにブレスレットが付いた重さとは思えず、長く着けていても手首に負担を感じにくい。夏場に袖をまくって着けたとき、金属の重さで手首がだるくなる感覚がほとんどありません。店頭でも、「軽いほうがいい」と最初におっしゃる方は、二本を持ち比べた時点でこちらに決められることが多いです。

質感は、ステンレスの鋭い輝きに対して、少しグレーがかったマットな明るさです。後継のエバーブリリアントスチールは通常のステンレスより白く輝きますので、同じ青緑の文字盤でも、先代はグレーで、後継は白で縁取られる。この差が時計全体の印象を決めていると感じます。




キャリバー9RA2 ── 月差±10秒と約120時間、週末に外しても止まらない
キャリバー9RA2は、スプリングドライブ5 DAYSの名のとおり、最大巻上時に約120時間、5日間にわたって動き続けます。精度は平均月差±10秒。ぜんまいで動く時計としては、これだけでも十分に高い精度です。後継の9RB2は年差±20秒で、精度では明確に後継が上ですが、持続時間は先代が約48時間長い。ここが二本の性格を分ける、いちばん大きな点です。
約120時間の意味を、生活に置き換えてみます。木曜の夜に外して、火曜の朝に着ける。それでも止まりません。週末に別の時計を着ける方、出張で数日外す方には、この余裕が日々の安心感になります。後継の約72時間ですと、金曜の夜に外して月曜の朝に着けるまでが約60時間ですので満巻なら持ちますが、余裕は小さくなります。
目で見て楽しめるのは、秒針が止まることなく滑るスイープ運針と、サファイアガラスの裏ぶた越しに見える回転錘です。パワーリザーブ表示は裏ぶた側にあり、表の文字盤には表示がありません。だからこそ、阿寺川の模様が途切れずに広がっているのです。
装着感 ── 40.0×47.9×11.8mm、ワンプッシュ三つ折れ中留

ケースは横40.0mm・縦47.9mm・厚さ11.8mmです。縦寸は後継の47.2mmより0.7mm長く、数字のうえでは先代のほうがわずかに大きく見えますが、腕に載せた印象の差はほとんどありません。厚さもほぼ同じで、袖口の下に収まります。

中留はワンプッシュ三つ折れ方式で、後継に備わった微調整機構はありません。ブレスレットの長さはコマの抜き差しで合わせますので、店頭でお渡しの際に調整いたします。季節で手首の太さが変わる方には、後継の微調整機構のほうが便利なのは確かです。ここは正直に、先代が譲る点として挙げておきます。


純正ラバーストラップという楽しみ

バンド幅は22mmで、グランドセイコー純正のラバーストラップを合わせることができます。ブライトチタンの軽さにラバーの軽さが加わり、腕にほとんど何も着けていないような感覚になります。ネイビーのラバーと青緑の文字盤は、夏の渓谷のモチーフにいちばん近い組み合わせかもしれません。


後継SLGB011との違い ── 何が変わり、何が変わらないか
ここまでの内容を、後継との違いとして整理します。当店では二本を並べてご覧いただけます。
| SLGA025(先代) | SLGB011(後継) | |
|---|---|---|
| 文字盤 | 均一に明るいエメラルドグリーン寄りの青緑 | ブルーグリーンのグラデーション+型打模様 |
| キャリバー | 9RA2/月差±10秒/約120時間 | 9RB2 U.F.A./年差±20秒/約72時間 |
| 外装 | ブライトチタン(グレーがかった明るさ) | エバーブリリアントスチール(白い輝き) |
| ケース | 40.0×47.9×11.8mm | 40.0×47.2×11.7mm |
| 重量 | 112g | 168g |
| 中留 | ワンプッシュ三つ折れ | 微調整機構つきワンプッシュ三つ折れ |
| ガラス | デュアルカーブサファイア | ボックス型サファイア |
| 取扱 | 公式カタログ掲載終了・当店在庫限り | ブティック・サロン取扱の現行モデル |
| 価格(税込) | 1,463,000円 | 1,386,000円 |
変わらないのは、阿寺川という主題、40.0mmという径、エボリューション9のデザイン文法、そして裏ぶた側のパワーリザーブ表示と10気圧防水です。変わったのは、精度の桁、素材、重さ、持続時間、中留。どちらが上ではなく、精度と中留を取った後継か、軽さと持続時間を取った先代か、という選び分けになります。


後継SLGB011の色の見え方は、SLGB011の実機レビューで光と服装を変えながら確かめています。二本の系譜については新旧比較のコラムもあわせてご覧ください。
在庫限りという現実と、アフターサービス
SLGA025は公式カタログでの掲載が終了しており、当店の在庫がなくなれば、正規販売店で新品をお求めいただく機会は事実上なくなります。数量は日々変わりますので本稿には書きませんが、ご検討中の方は、まず在庫の有無をお問い合わせください。
アフターサービスは現行モデルと変わりません。メーカー保証はお買い上げ日から5年間(2021年10月1日以降に販売された商品)で、コンプリートサービス(オーバーホール)は3〜4年に一度が目安です。スプリングドライブの整備はセイコーの修理受付を通じて承りますので、後継が出た後も安心してお使いいただけます。
ハラダは創業1929年の腕時計専門店で、徳島のグランドセイコーサロン認定店です。遠方でご来店が難しい方には、実物を撮影した動画をお送りしています。お支払いは最大100回まで無金利分割をご利用いただけ、ご購入後3年間の対物保険(ホディンキーウォッチケア)についても店頭またはお問い合わせの際にご説明いたします。
SLGA025(阿寺川・5 DAYS)の在庫確認・実物動画のご依頼はこちら →
よくある質問 (FAQ)
Q1. SLGA025はまだ新品で購入できますか?
Q2. 後継のSLGB011と、どちらを選べばよいですか?
Q3. ブライトチタンとはどのような素材ですか?
Q4. 保証やオーバーホールは現行モデルと同じですか?
Q5. ラバーストラップは付け替えられますか?
まとめ ── 軽さと5日間を取るなら、いまが最後の機会
SLGA025は、ブライトチタンの112gに、月差±10秒・約120時間のキャリバー9RA2を収めた阿寺川のスプリングドライブです。冒頭の「まだ手に入りますか」という問いへの答えは、「公式カタログからは外れましたが、当店の在庫がある間はお迎えいただけます」となります。
後継SLGB011は精度と中留で確かに前へ進みました。それでも、腕に載せたときの軽さと、週末に外しても止まらない余裕、そして暗い場所でも消えない翡翠のような青緑は、先代だけのものです。この三つに価値を感じる方にとって、SLGA025を新品で迎えられるのは、いまが最後の機会になるでしょう。
気になる一本がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。徳島のグランドセイコーサロン認定店として、ご相談を承っております。
※掲載内容は2026年9月時点のものです。価格・在庫状況は変更となる場合がございます。最新の情報は当店までお問い合わせください。
ハラダ GS担当 藤本
グランドセイコーの在庫・価格の一覧は本店サイトでご確認いただけます:グランドセイコー在庫一覧(正規販売店HARADA本店)